彼女はなぜ、こうも愛されるのか―
好感度の後ろにある誠実さと着実さ
密着してみて、驚いたことが多かった。
まず、とにかくどこへでも一人で出向く。ある時は早朝5時のラジオスタジオ。ある時は富士山の麓でキャンプ。自らハンドルを握り、淡々と車を走らせる。
もう一つ。現場には早く入る。「世界の果てまでイッテQ!」の大勢が関わるチャレンジ企画でも、他の出演者より先に楽屋に入っては、落ち着いて朝食をとってから仕事に向き合った。
55歳。
「親しみやすい」、「一緒に働きたい」、「理想の上司」――好感度ランキングやイメージ調査で毎年、上位に名を連ねる。お笑いの印象が強いが、演劇にラジオパーソナリティ、コラムの執筆からトークイベントまで活動の幅は広い。
テレビのトーク番組では開けっぴろげに自分を語る。気取らない姿が人気の秘訣だが、進学校を卒業しながら大学には進まず、舞台に立つことを夢見た若い日は複雑な思いも抱えていた。
驚いたことは他にもあった。仕事の予定が本当にパンパンなのだ。それでも、売れないころから自ら企画してきたトークイベントはいまも続けている。その現場でのこと。「休みたいと思わないですか?」。この何気ない質問が彼女の心の大事な場所に触れることに。「自分の大切なものに勝手に順位をつけないでほしい。そこに差はあります?お客様はどこにいようが一緒じゃないですか」。
取材を承諾してくれた際、彼女から言われたのは「密着は長期間にしないでほしい」ということと「嘘をつくことはしない」ということ。スケジュールの連絡は毎回、本人から直々に送られてきた。そこにはいつも、具体的な時間や場所とともに「どこか時間を選んでお越しいただければm(__)m」という丁寧な但し書きがついていた。
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